こんにちは。ゆきれい夫婦です。今日は辻村深月さんの『かがみの孤城』について書いていきたいと思います。この本は、私がハードカバーで買った初めての本でもあり、とても思い入れのある本となっています。
ここでは、
- どんな本を読めばいいのかわからない
- とりあえずおすすめの本を教えて
という方に向けて、読書レビューを書いていきます。それでは、最後までお付き合いください。
まずはじめに、『かがみの孤城』のおすすめポイントは
- 登場人物はそれぞれ個性的なのに、どこか親しみやすいキャラクターであること
- 読み終わったあとに、前向きな気持ちになれること
- 何度読んでも夢中になれること
です。
『かがみの孤城』は昨年映画化されたこともあり、タイトルをご存知の方も多いのではないでしょうか。私がこの本を買ったのは2018年で、もう5年も経っているのですが、映画化を期に、もう一度読み直してみたいと思いました。読み直してみると、不思議と本の世界に惹き込まれて、かなりのページ数があるにも関わらず、一気に読んでしまうほど面白い本になっています。
あらすじ
転校生がやってくる。みんなが注目して、友だちになりたいと思っている転校生とは、すでに友だち。そしてその転校生は、誰よりも私と一緒にいたいと言ってくれる。そんな夢を見ることがある。というところから始まります。
『かがみの孤城』主人公は、中学1年生の安西こころさん。中学1年の4月に起きたあることがきっかけで、学校に通えなくなってしまいます。そして学校を休んでいるある平日の夕方、突然自分の部屋の鏡が光り始めます。鏡に手をかざすと、中に吸い込まれて。。。
目を開けた先には大きなお城と、狼のお面をした女の子がいます。はじめは怖くて逃げだしてしまいますが、翌日もう一度光った鏡の中に入っていきます。
するとそこには、様々な中学生6人の姿が。そこで狼のお面をした女の子(”オオカミさま”)から、かがみの孤城に関する説明を受けます。かがみの孤城には、願いの鍵と願いの部屋があり、それを探すも自由、他に好きなことをするも自由だと言われます。ただし、かがみの孤城が開くのは朝の9時から夕方の5時まで。夕方5時までに帰らないと、オオカミに食べられてしまうということでした。また、かがみの孤城は来年の3月30日に閉じることを聞かされます。
オオカミさまが姿を消した後は、各自で自己紹介をして、そこからかがみの孤城での昼間の生活が始まります。みんなでゲームをしたり、時に事件が起こったり。ただ、お互いにフルネームもどこに住んでいるのかも知らないまま、時が流れていきます。さらに、現実世界では誰にもかがみの孤城の中の話をすることはできません。現実世界と鏡の中の世界が繋がることはあるのか。。。
と、一見するとファンタジー要素満載に感じるのですが、この本の中では、ちゃんと現実世界のことが描かれています。現実世界では、様々な人間関係があって。話がどうしても通じない人、一方で、手を差し伸べてくれる人。そうした人たちとのやり取りが、なんとも実生活に結び付く話に思えて、どんどん本の世界に惹き込まれていってしまいます。
みんなは自由に過ごしながら、それぞれ願いの鍵と願いの部屋を探すものの、見つからず。そうして、とうとう迎えた3月29日に、大事件が起こってしまいます。。。
『かがみの孤城』を読んで感じたこと
最初は、かがみの孤城という空想世界の話かと思っていましたが、そうではありませんでした。登場人物それぞれに生きる世界があって、それぞれに悩みもたくさんある。ただ、かがみの孤城の中では、7人で楽しく過ごすことができる。そんな息抜きの場、安心できる場所、それがかがみの孤城でした。
誰でもそうですが、常に気を張った状態でいると、身も心もすり減ってしまいます。私は家に帰って、妻と過ごす何気ない時間があるからこそ、毎日を過ごしていけます。
『かがみの孤城』の中の登場人物は、それぞれに何かと闘いながら生きている、そんな姿がたくさん描かれています。現実世界で闘っているからこそ、かがみの孤城では自分らしく、みんなと過ごしていける。これが本当に、胸に刺さるメッセージでした。
私も、今の大切な時間を大事にしながら生きていきたいと改めて感じることができる作品でした。そして同時に、今この時がどれだけ苦しくても、助けてくれる人が必ずいる。助けてもらえる出来事が必ず起きる。そして、その出来事を通して人生は180°変わったように明るくなる。そう前向きに感じることができました。
まとめ
『かがみの孤城』は、私が読んだ辻村深月さんの作品の中で1、2位を争う作品でした。何よりも、読んだ後に前向きな気持ちになれる。ぜひ、みなさんも一度手に取って読んでみてください。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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